創業セミナーに参加してみました

フリーで働き6年というものの、自分1人で食べていけるほどには稼げていないHYです。

個人事業主(フリー)で働いています、と言うだけならどんな仕事量だろうが、どんな形態だろうが言えてしまいますが、開業届を出して、バリバリと稼いで、必要な事務手続きもして…というのはまた、知識も必要だし敷居が高くなります。

もっと在宅ワークの基本を理解して、引いた目線で全体像を把握し、足りない知識を補ったり活動の場を広げる可能性を模索したり出来ればなと思っていました。

私個人に関しては知人の紹介の仕事や、インターネット上のみでの営業活動を専門としていました。
そもそも肝心な、地元(リアル)での活動はどうなんだろう、と思うに至ったわけです。

そして地元商工会に問い合わせてみたところ、ちょうど創業セミナーが開催されるタイミングだからまずはそれで話を訊いてみてはとアドバイスをしてもらえました。

国が補助をしていて無料のセミナーとはいえ、詳細を大公開するわけにはいきませんので、どのような話を聴かせてもらえるのか?という事を要約してまとめてみます。
もっと詳細を知りたい方は、ご自身のお住まいになっている地域の商工会でご相談されることをおススメします。

余談ですが聴講者層はほぼ同数で三つに分かれており、現在すでに開業している人・1年以内に開業したいと思っている人・まだ漠然としたイメージの人となっていました。

創業セミナー第一回・創業計画書の重要性

中小企業診断士の方より、経営全般、経営理念、経営戦略、事業計画策定などのお話を伺いました。

漠然とした夢や計画を持っている段階で止まっている人は具体的に記述してまとめ、明確にさせておきましょう。
創業計画書が無くても創業は可能ですが、道標として作っておくと創業者にとって有益です。
また、金融機関から事業資金を借入予定のある人には必須のものです。

事業を運営していく上で必要な基礎的知識

経理・税務・労務・財務・契約とは?

自分がそれぞれのプロフェッショナルでなくとも、なんとなくでも把握できないと見通しがたたないから、ある程度の理解は出来たほうがいいです。
なお、経理と財務は一緒くたに考えがちですが、異なる概念として捉えるべきと強調されていました。

  • 経理…日々の記帳・記票。現金を合わせるという認識。
  • 税務…気軽に相談できる税理士さんの知り合いができると良い。年間顧問契約は高い。
  • 労務…人材についての管理。
  • 財務…資金繰り。
  • 契約…総務。口約束でも契約は発生し、義務を遂行しなければならない。契約書の発行。

事業の具体的な詰め

  • 創業(事業)概要…具体的内容。
  • 想定する商品…ターゲット・付加価値・コンセプトを文字に起こせるように。
  • 販路や営業方針
  • 仕入や製造方法
  • 出店エリア等…出店や物件が必要な人は、時間がかかるのでなおのことスケジューリング大事。
  • 形態等…法人か個人事業主か。法人ならば株式か合名・合資・合同か。※NPO、NPO法人もあり。
  • 営業許可等…必要な要件・期間を確認のこと。これも時間がかかる場合がある。
  • 創業までに必要な設備投資・備品・諸経費等…借入予定の人は、金融機関に審査されるので注意。
  • 計数計画…何ヶ月で軌道に乗せるか見込み表。個人事業主の場合は生活費の想定を忘れずに。
  • 借入想定

創業計画書(計数計画)の重要性

セミナー1のメインテーマです。
個人事業主は3箇所に書類を提出すればすぐにでも開業できるけれど、創業計画書・スケジューリングはかなり重要になってくるので必ず作るべきということです。

創業計画書

※業種によって記載するべき事項は若干異なります。

  • 創業概略…◯◯◯◯の創業。と一言で表現できるもの。
  • コンセプト
  • 経営理念…信念・信条。ビジョン、こだわり。
  • 具体的商品・サービス内容
  • ターゲット(お客様)
  • 経歴・職歴や動機など

計数計画

法人・個人事業主に関わらず、創業から最低でも2年分の収支計画を立てよとの仰せです。
各月末・期末の賃貸対照表も作成。現金が残るか?現預金が残るか?、資金繰り表を作る。

創業セミナー第二回・販路開拓

第一回と同じ中小企業診断士の方より、商品開発、マーケティング、店舗演出、販売促進、販路開拓などについて伺いました。

「顧客」という意識で居るか。「お客様」という意識で居るか。視点が変わると取り組み方も変わる。
「お客様」という意識でいるべき、とこの回を通じて特に強調されていました。

  • 商売とは、お客様に商品(サービス)を購入していただくこと。
  • 売れる商品(マーケットイン)とはどうやって作ろうか?
  • お客様の視点・心理になれること。
  • 商売の範囲。
  • コンセプトを明確に。
  • ターゲットを見極める。
  • 常連客(得意先)、既存客、認知客・未認知客への新たな取り組み。
  • ニッチ(すきま市場)を見極め、ニッチャーになろう。
  • マーケティング戦略。マーケティングミックス(4つのP)。
  • 情報発信の場。ホームページ(サイト)制作、SNSの活用。

創業セミナー第三回・財務管理の基礎。資金計画について

日本政策金融公庫 国民生活事業 創業支援センターの方よりお話を伺いました。

  • 創業時の資金計画(設備資金、運転資金、自己資金、公庫借入、他金融機関借入など)
  • 倒産の原因はどういうことであるか。
  • 資金繰りの対応策。
  • 業界の平均・相場(例・業界別経営指標)を知り、取引交渉を有利にさせる。
  • 各機関に融資を受けるためにはどうしたらいいのか?
  • 創業時の心得。
  • 日本政策金融公庫 国民生活事業の融資制度告知と利用手続きの方法。(新規開業資金、女性・若者・シニア起業家資金、新創業融資制度、創業支援貸付利率特例制度、中小企業経営力強化資金)

創業セミナー第四回・創業者こそ人材育成

県のスタートアップセンターの方よりお話を伺いました。

今回のテーマは「人材確保・育成・従業員の雇用」という観点であることから、労務を中心とした回なのかな…個人事業として1人からスタートという身分には関係ないかな…と講義を受けるまでは思っていました。

ところが、最大のテーマ、真のテーマといっても良いかもしれない「人材育成」とは、実際は自分自身の事を大きく指している事と判り、初回の印象とは一転、とても実りのあるお話でした。

まず冒頭で、国がここ10年で如何に創業者へのバックアップ(支援)をしてくれるかになったというお話、だから活用できるものはきちんと使って有利に行動しましょうというお話をされました。

創業者の4つのキーワードと、支援機関の取り組み内容

経営・財務・販路開拓・人材育成
以上4つを網羅するセミナーや相談など、行政の特定創業支援事業(例えば今回の創業セミナー)を受けた創業者への支援として、市町村が証明書を発行してくれるそうです。

  1. 創業日から5年未満の個人が会社を設立する際、登記にかかる免許税減税。
    ※最低税額の場合、株式会社設立は15万円が7.5万円、合同会社設立は6万円が3万円に減額。
  2. 無担保、第三者保証人なしの創業関連保証の枠が1,000万円から1,500万円に拡充。
    (既に創業している人についても特定創業支援事業による支援を受ける事により保証枠が拡充)
  3. 創業2ヶ月前から対象となる創業関連保証の特例が、事業開始6ヶ月前から利用の対象に。
  4. 創業前または創業後税務申告を2期終えていない事業者は、日本政策金融公庫の融資制度である新創業融資制度を、創業資金総額の1/10以上の自己資金要件を満たす方として利用できます。

創業者の4つのキーワードから導き出されるもの

経営・財務・販路開拓・人材育成 + 力(ちから) = 継続力
経営者に求められるものは継続力。
創業時期にその意義を創業者がしっかり認識し、人材を必要とするまでに自分自身が成長してゆかなければならない。

自分自身を見つめなおす

  • どうして事業を始めようと思いましたか? 起業の原点は?
  • 事業についてのブレないヴィジョンはありますか?
  • その事業実現の為にどのような事をしてきましたか?

ビジネスの上で大事にしていることを3つあげる

各々が順繰りにマイクを持たされて3つ発表しました。
自分も含め信頼関係作りを筆頭に挙げられている方が多かったですが、講師の方が再重視しているものは俯瞰力だそうです。

我が社のルールを3つあげる

3つという数字にこだわるのは、シンプルで覚えやすく挙げやすいためとか。

今の自分自身を客観視してみる

創業者のセンス…事業者の人格、事業感覚、経営知識、競争力、経営感覚
計画事業遂行力…商品完成力、営業力、経営力、事業成長力、国際競争力

それぞれを5段階の点数付けのレーダーチャートにし、足りない所は何か。補うためにはどうしたらいいのか。を考えよとの事です。

国際競争力とは何かというと、英会話が出来たり、海外に通用する何かを持っていればベストではあるが、外国人の方に対してwelcomeという気持ちさえ持っていれば最低でも1ポイント入れて良いとの事。

人材育成(雇用を考える)

3年後の事業成長、継続するスケール感、スケジュール感を考える(お金抜き)

どのような助け(人材)が必要になってくるのか?

人材について考えてみましょう

  • あなたの会社(事業)は、何を一番大切にしますか?
  • 働く人には、どのような事を求めますか?
  • 何かスキルを必要とする仕事ですか?
  • 働く人に、将来的に期待する事

小さなOJTと振り返りの実践

例えば、自分の仕事を同じようにこなしてもらうために、あなたならどのようにそれを伝えますか?
シンプルな手順があれば、実際に書いてみる。

(シンプルに伝える事に際して、近い将来、日本に住む外国人が多くなるというお話に触れました。後でも外国人の話がもう1回出てくるのですが、その念入りぶりに、外国人に伝える感覚を磨く指導をするよう政府から支援機関にお達しがあるのかな…とは思いました。これはHY個人の感想です。)

あなたの会社の10年後を考える

  • どのような会社になっていますか?
  • どんな人たちと一緒に働いている姿が浮かびますか?

口ベタでも、伝える力を持つ

「指示」「理由(想い)」「感謝」「多様性」
ただ指示するだけではダメ。相手を承認する言葉をかけることとか、新しい視点を持つ「気づき」の促しをすることでのコミュニケーションが大切。
相手の隠れた能力(多様性)を認めることで新しい発見がある。

人事労務

継続して働ける環境を作るのは、経営者の仕事。
人事労務を怠りなく行うことは、経営者として当たり前のこと。
当たり前の事を確実に行うには、書面に残す(契約書)こと。

雇う前に注意すること

  • 正規雇用(給与、という固定費発生。資金繰りを要確認)にするのかパート・アルバイトにするのか。
  • ひとたび雇用すればアルバイトでも安心して働ける準備をする。
  • 面接時、仕事についてのありのままの話と、将来について(求職者に対する希望)を伝えること。
    面接時の仕事の説明が採用のミスマッチを防ぎ、またその人に「良い仕事」をしてもらうことに繋がります。
    また、して欲しい仕事だけではなく、将来可能性のある他業務についても伝えましょう。

雇用してからのこと

  • 届け出を確実に!(税務署・労災保険・雇用保険)
  • 雇用契約書を作りましょう。(給与・労働時間などの雇用条件を明確化)
  • 就業規則を作りましょう。(アルバイトの退職金・昇給・賞与も明示)

★外国人は契約の明記にシビア。契約書に書かれていないことはしないし、トラブルになったりする。

(小さなOJTと振り返りの実践同様、外国人への対処方法を注意されました)

人件費

賃金支払で発生するのは給与・賞与だけではありません。
労働保険料・社会保険料の会社負担分もあれば、退職金制度を設ける場合は積立に関する負担もあります。

  • 「労働保険」…労災保険・雇用保険
  • 「社会保険」…健康保険・厚生年金保険・介護保険・国民健康保険・国民年金

★一般的な会社に関係する「社会保険」は健康保険(介護保険含)と厚生年金保険。

雇用時に気をつけること

パートであっても、一定の基準を満たしていれば保険への加入が必要となります。
採用の形は正社員・パート・派遣活用がいいのかよく考える必要があります。

  • 「雇用保険」…1週間の労働時間が200時間以上、1年以上雇用が見込まれる場合には被保険者になる(年度更新も同じ)
  • 「健康保険・厚生年金保険」…正社員の所定労働日数と、所定労働時間の概ね4分の3以上勤務なら、被保険者。

退職を願いだされた時

辞める意志を伝えられた時、できるだけその背景を今後のお互いのために確認しましょう。
慰留したとしても、意志が変わることは大抵の場合難しいです。
できるだけお互いに納得できる、円満退社の形を目指しましょう。

【まとめ】ポジティブな会社を継続しよう

自分の想いの共有者と成長していく会社作り

「雇っている」ではなく「力を借りて一緒に事業を行っている」
「覚えが悪い」ではなく「伝える力不足」を見なおして、自身の手順の再確認をする。
「自分」ではなく「チーム」という意識をもつ(個の仕事が、企業の成果になる)
4つの要素「指示・理由・感謝・多様性」を意識して活用しよう。

情報収集と活用

アテにするのではなく、活用する力をつけよう。
目的に合った助成金・補助金を活用しよう。

  • 試作品を作りたいなど、技術研究開発 …JST、NEDOなど
  • 地域資源を使って商品開発したい …地域産業資源活用など
  • 小さな創業支援・空き店舗活用などの補助金 …自治体など
  • 大きな創業・雇用創出 …スタートアップセンター

覚えておくべきPDCAサイクル

  • PLAN …計画
  • DO …実施
  • CHECK …点検・評価
  • ACTION …改善・処置

創業セミナー第五回【最終回】・実際に創業計画書を作ろう

今までのセミナーで伺ったお話の総ざらい的なまとめと、例にならって創業計画書を組み立ててみることと、資金繰り表をつけてみるテストです。
資金繰り表テストとは、売上総利益から営業損益を引き、数ヶ月というスパンに対しての業績を実感する感覚をつかむ体感テストです。
また、コスト(実質変動費・人件費・販売費・固定費)に具体的な内容知識も得て下さいと指導されました。

それから、全ての回の受講生に、修了証明書の授与式となりました。(修了証を持っていると、創業の際に一部税金の免除があります)
最後にセミナー講師との個別面談時間を設けられました。
各人のこれまでの状況や今の状況、創業への思い等を語り、質問などが一対一で出来る場でした。

セミナー全ての回を受講したHYの感想

最後に創業セミナーの感想をまとめますと、経営に必要な事務的なこと全般と、精神的に必要なことのヒントをもらうことが出来て、非常に有意義なものでした。
経営サイドに立つ予定がない人でなくとも、労働者目線として会社というものを知っておきたい!という人にもためになると感じました。
特に今勤務している人で、会社に対し自分への処遇に不満を持っている人でしたら、目を醒ますためにもなおさら。
え、本来経営者はこういう意識であるべきなの? 当前のように搾取されているんだけど? と、冷静に俯瞰視出来るきっかけになれるかもしれません。

セミナー最終回のみについてのHYの感想

以下は最終回についてのHY個人の感想になります。
全体を通しては、セミナーは良かったと思うのですが最終回がちょっとバタバタしました。

資金繰り表を付けることについて

資金繰り表を書くということは、6〜7ケタの数字を紙に書いて計算することという、日常生活内で滅多にしなくなっている内容だったので自分だけ遅れてしまい焦りました…
電卓も叩き慣れていないので何度もミスする始末。
皆さん数字に慣れているのか、耳から入った情報をすぐに処理して数字に置き換えてる様子が周囲から伝わって来るのでさらに焦ります。
ゼロが4つ以上あると戸惑います。でもここは仕方ない、頑張るところ!

個別面談(個人相談)

これまで全講座を受けてきて、全容がおぼろげながらも把握でき、創業に対する気持ちのエンジンがかかってきたような気持ちがしていました。終わりよければすべてよし、と思いたいところ。
そんな気持ちであとちょっとだけ、手続きに関しての質問を解決させてもらおう…と軽い気持ちで面談に挑みました。
ところが…

結果として、開業したい気持ちに水をさされた形になって終わりました。

アドバイス頂いた内容をよく反芻しあれこれ考えてみましたが、やっぱりどうにも腑に落ちません。
講師の方と性格が合わなかったようにしか思えていません。
ここでぺっこり凹んで気力を削がれるか、かえって奮起してヤル気を出すか、幅広く意見を聴いて慎重になろうと思うかは人それぞれなのでしょうね。

私は、今度は別の人に同じ相談内容をしてみようと思いました。
幸いにして、今回のセミナーで、ビジネスサポートセンターという創業支援センターの存在を知る事ができましたので次回そちらへ行ってみます。

 

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HY

HY

主にデザイン制作物を担当している、40代の在宅ワーカー主婦です。弓道弐段です。襷掛けと羽分け規定のある参段審査の壁は高い!けど、いつか獲るを目指して頑張ります。