遺産相続手続【戸籍謄本・除籍謄本の請求】


HYです。
独身の兄が亡くなったため、相続手続が困難な高齢親(法定相続人)の代理で事務処理をすることになりました。
普段の生活で滅多に出番の無い戸籍謄本。それまでは、ふんわりとした知識しかありませんでした。
預貯金の相続手続で必要な書類はたくさんありますが、この記事は「連続した戸籍・除籍謄本の請求」特に、「郵送での請求の仕方」にスポットを当ててまとめます。

戸籍謄本・除籍謄本とは?

両親や養父母の名前・筆頭者との続柄・出生地と出生や死亡地と死亡の届出人・本籍地と転籍前の情報・婚姻歴・離婚歴・認知などが記載されているのが戸籍謄本です。
その戸籍に生存している人が1人以上いる必要があります。

婚姻すると家庭の戸籍が新しく作られてそちらに入る事になります(入籍)。
元の戸籍から婚姻や死亡、筆頭主の転籍(管轄区が変わる程の本籍地変更)があったりして、戸籍に残った人が居なくなると除籍という判子が押されて除籍謄本という扱いになります。

※亡くなった人が含まれている戸籍だから除籍謄本、という意味ではありません。

預貯金の相続手続で必要になるもの

人が亡くなった後、預貯金口座がある金融機関等に連絡をしますが、直ちに口座の凍結がおこなわれます。 これを生存している法定相続人が遺産相続として引き継ぎますが、手続で準備する書類としてだいたい次のものが必要になります。 法定相続人が何人もいたりすると、以下に加え全員の放棄書・印鑑等ありますが、金融機関によって可能な相続人が違いましたのでご確認ください。さらに遺言状とかあるともっとややこしくなります…

●相続届(金融機関所定の書類) 法定相続人全員の署名・捺印(実印)
●故人の生から死までの連続した戸籍謄本
●法定相続人本人の戸籍謄本(故人と同一戸籍であれば不要)
●法定相続人の印鑑証明(印鑑登録証明書)
●通帳(証書)・キャッシュカード・貸し金庫の鍵など

戸籍謄本は1通450円、除籍謄本は1通750円、印鑑証明書の発行は200〜300円の手数料がかかります。

※法定相続人は、配偶者は必ずなれます(民法890条)。配偶者が居ない場合の順位は第一位子ども(民法887条)、第二位父母(民法889条)、第三位兄弟(民法889条)。相続人になるには配偶者以外は血縁者であること。内縁関係は☓。例外で養子縁組は◯。血縁であっても愛人との子は認知されていなければ☓。相続放棄の人は初めから相続人と認められません。

【郵送の場合】故人の生から死までの連続した謄本請求の仕方

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役所へ行けば判らないことは教えてもらえますし早いのですが、そうはいかない場合のためにここでは郵送請求の仕方を書きます。

役所のサイトから請求用紙をダウンロードできたり、書式例がありますので利用します。
「戸籍に関する証明書などの交付請求用紙」内の使いみちのところに、「出生から死亡まで」という項目にチェックが付けられるようになっているタイプの用紙が多いと思います。
無かったり、不安がある場合は備考欄にも用途を書いておきます。 例/筆頭者の子・誰々死亡による相続手続のため生から死までの連続した謄本が必要

サイトには申請書類一式が書かれているので準じて送付しますが、役所から電話連絡先に問い合わせが来ることがあります。
例えば、「別の区から転籍されているので、そちらの謄本はそちらの役所で請求する必要があります」や、「除籍謄本はこちらの区では2通ありますのであと1通ぶんの手数料を追加でお送りください」といった内容です。
※除籍謄本は、1通の区もありますが2通の所もあります。→改製原戸籍謄本の罠【東京都練馬区】
転籍が多い場合には、故人の出生届が記されている謄本に到達するまで、遡りながら順に役所を変えて請求していきます。

役所からの返送は、スムーズにいけばポストへ投函してから一週間〜十日かかる見込みです。返信用封筒に赤い線を引き、必要な切手を貼れば速達可能です。謄本の使用期限は半年ですが、目的に合わせて早めに動いたほうが良いかと思われます。

【郵送の場合】自分が生まれる前の親族の謄本をどうしたら最小の手数で請求できる?

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右端が筆者HYです。HYは、法定相続人の両親の代理で、故人の生から死までの謄本を請求しようとしています。4人家族の中で私だけ、まだ生まれていなかったA・B区時代の除籍謄本には名前が記載されていません。
そして私がA・B・C区役所に郵送で除籍謄本を請求するには、家族の関係性を証明する本人確認用資料が必要になります。

ここで私はどうしたら最低限の労力でA〜D区全ての謄本請求ができるのか?

家族の関係性証明ということは、同一戸籍に入っている謄本を証明資料として提出するのが一番わかりやすいのです。

そのため、初めにD区の役所に現在戸籍である「戸籍謄本」を請求し、返送されて来たらコピー機で複製を取り、次にA・B・C区の役所に「除籍謄本」を請求する際の証明用書類として「戸籍謄本」コピー複製を郵送します。
※戸籍謄本には、亡くなった人の死亡届が記載されていないといけません。

証明資料送付する際の郵送料金は資料の厚みにもよりますが、ちょうど82円切手〜92円切手のあいだの微妙なラインだったので心配な場合は郵便窓口で測ってもらった方が無難です。

計算上では、上記全ての工程で二週間〜二十日間以内で手元にA〜D区全ての戸籍除籍謄本が揃うことになります。

今までの本籍地(転籍前)を知りたい場合

自分が現在入っている戸籍謄本を見ると、現在の本籍地と、そのひとつ前の本籍地(転籍前)は知ることが出来ます。
何回も転籍しているようでしたら、転籍前管轄の役所に謄本請求をし、そこでまたひとつ前を知ることができるのでさらにその前の管轄の役所に請求をする、を繰り返します。
一カ所の役所に過去全部を訊こうとしても、現在と転籍前までしか調べられないので自分で辿る必要があります。

【余談】転籍を何度もしないほうが良い理由

筆者HYの親(戸籍の筆頭者)は、例え近場であっても引っ越しをするたびにこまめに本籍地を転籍してきました。本籍地の役所で直接請求するのが楽、という理由からでしょう。

これが、後々処理をする者としては非常に大変だったので出来るだけ転籍して欲しくなかったものです… 兄(故人)が誕生時の戸籍まで遡って謄本請求したのですが、合計4枚となりました。改製原戸籍謄本というややこしいものも含まれていたので厳密には5枚です。
ややこしくなるし、何より除籍謄本は1通750円とお高いです。しかも、完全に国都合で増やされた改製原戸籍謄本なのに何でその分まで750円払わされるんや…納得いかない…
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親がこれまで何処に本籍があったかを覚えていなかったのと、除籍謄本に対する私の理解が足りなかったため、現地で事情説明しながらひとつづつ管轄役所を遡って自分の脚で回らねばなりませんでした。
郵送でも謄本請求は出来ますが、手数料の定額小為替準備、返信用切手・封筒準備、請求・証明書類準備、書類に間違いが無いかの点検があります。

もし数カ所の役所となると、それなりの作業時間と返送待ち日数を覚悟しないとなりません。
おまけに書類不備があると、再送や返送待ちでさらに日数がかかります。
直接請求に行ければその場で書類不備が判るので日数は短縮できますが、直接何ヶ所も役所巡りするのはあまり現実的ではありません。

もしも少ない転籍数で済むなら、必要な時にその都度直接なり郵送なりで請求したほうが良いと思います。
人が亡くなった時は何かと忙しくなっていると思われますので、そういった差し迫った状況や、自分自身が老いてイマイチ理解が鈍くなった頃になってから多方向の役所に向けてややこしく動き回らねばならなくなるのは非常に煩わしいと思います。

私は物心ついてから「本籍地は簡単に変えてはいけない」というのは親以外から常識で学んだと記憶しています。 周囲の人に訊いても、だいたい知っています。でも、「変えないほうがいい理由」までは知らない人が多いように思います。「だってそういうものだから」という認識ではないでしょうか?

私もそうでした。こんなに面倒なことになるなら、もっと知る機会があればいいのに…と思いました。私もイイ歳になってから親が「引越しで本籍地変えるからアンタの本籍も変わるよ」と言ってきた時、なんでもっと制止しなかったんだろう私!ぎゃふん!

「住んでなくても好きな土地を本籍地に出来るんだって♪だったら好きな観光地を本籍地に指定しよう♪」とか、気軽に本籍を変えようという書き込みをネットで見かけたりします。リスクを承知の上ならいいけど…と、今では老婆心より思っています。

理想をまとめ

一番理想なのは、転籍が少なく、かつ直接役所で請求申請できることが間違いもなくスピーディですね。長い人生、中々そうも言っていられないので、万一のために日頃から意識したいこと。
もしも今までの戸籍謄本を何らかの理由で集めなければならなくなった場合の書類不備率が下がると思います。

  • 現在・過去合わせた、自分に関係のある本籍地のメモを準備しておく。(籍を置いていた期間も)
  • 自分に関係のありそうな範囲の戸籍(除籍)謄本の数を把握しておく。
  • 東京都練馬区に本籍があった人は、通常の戸籍謄本の他にも改製原戸籍謄本が必要になっているかもしれないので注意。

以下はおまけです。相続手続に関して気に留めておくと便利だったこと。

  • 親族の生年月日をメモ(西暦と和暦両方)。
  • 申請先によっては戸籍謄本を返却してくれるので、予め返却してくれるのかを問い合わせておくと安く済む場合がある。

 

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HY

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主にデザイン制作物を担当している、40代の在宅ワーカー主婦です。弓道弐段です。襷掛けと羽分け規定のある参段審査の壁は高い!けど、いつか獲るを目指して頑張ります。